親知らずとは

6歳臼歯と12歳臼歯の奥に生えてくる18歳臼歯のことです。 親知らずがキレイに生えている場合は必ずしも抜歯する必要はありませんが、埋伏している状態の親知らずは周辺に炎症を起こしやすく、体調が悪いときなどに歯ぐきの腫れや痛みを生じさせます。 将来的にトラブルの原因となる可能性のある親知らずは早めに抜歯しておいた方がいいでしょう。
親知らずを抜かないメリット
1.ブリッジの支台にできる
歯を失った場合、周囲の歯を支えにしてギバを入れるブリッジという治療法がありますが、親知らずを残しておくと奥歯を失った際に支えとして使うことができます。
2.他の場所に移植できる
歯を失ったとき、親知らずを移植に使用できる場合があります。
親知らずを抜かないデメリット
1.虫歯や歯周病になりやすい
親知らずはお口の中でも一番奥に生えているため、歯磨きをしても歯ブラシが届きにくく、虫歯や歯周病になりやすいため口の中の環境を悪化させてしまうことがあります。
2.歯並びに悪影響を及ぼす
親知らずが生えるスペースが小さいと歯がまっすぐに生えず、傾いて生えてきてしまいます。親知らずは大人になってから生えてくる歯なので、まっすぐ生えてくることは少ない歯です。そのため、生えてくる際に周囲の歯を押し出し、歯並びを悪化させることがあります。

3.口臭の原因になる
親知らず周辺は歯ブラシが届きにくく十分なケアがしにくいため、虫歯菌や歯周病菌が増殖し口臭の原因となります。
4.嚢胞ができる
親知らずが骨に埋もれていると、歯の周りに嚢胞という袋状のものができる場合があります。嚢胞を放置すると骨を溶かしながら大きくなり、顔が腫れ上がることがあります。
親知らずを抜いた方がいいケースとは
親知らずが歯茎から少しだけ顔を出し、それ以上生えてくる見込みがない
親知らずが手前の歯を強く押し、全体の歯並びに影響を与えている
親知らずが虫歯や歯周病になり、ひどく進行している
親知らずの周囲が腫れたり嚢胞ができたりしている
親知らずの噛み合わせが悪く、歯茎や頬の粘膜を傷つける
親知らずを残しておくことが可能であれば、将来的に役に立つ可能性がありますが、トラブルの原因となりやすいのが現実です。親知らずが生えてきたらまずはお気軽にご相談ください。
親知らずの抜歯手順
Step1
レントゲンで血管や神経の位置を確認する
抜歯前に、当院の最新CTレントゲンで血管や神経の位置や親知らずの根の状態を確認します。
事前に親知らずの状態を把握してから抜歯治療を行うことで安全性を最優先に確保します。
Step2
入念な麻酔処理で抜歯の痛みを最小限に
抜歯前に、術野への入念な麻酔を施します。
注射麻酔の前に表面麻酔を施すことで駐車麻酔の際に痛みが出ないようにします。
敏感な歯茎に圧を加えて麻酔を施すために歯科の麻酔は痛みが強い傾向にあります。
そのため圧を最小限に抑えることができる電動麻酔器を使用し、痛みを出さないよう最大限の工夫をしています。
Step3
親知らずの抜歯を行う
麻酔処理後に抜歯をします。
専用の器具を使用し、歯を歯根膜(歯と骨を繋ぐ組織)から引き離します。抜歯の際は麻酔が効いているため通常痛みを伴うことはありませんが、万が一痛みが出た場合は合図をしていただいた上で麻酔を追加します。また、親知らずが骨の奥に埋まっている場合、歯を割って小さくしたり、周りの骨を削って抜歯をする必要があるので、可能な限りお口を開いておいていただく必要があります。
Step4
縫合で傷口を小さくする
抜歯をした箇所には血液が溜まるため、かさぶたができて歯茎が盛り上がります。この治癒過程を利用し、傷口を縫って小さくすることでかさぶたができやすいようにしたり、止血用のスポンジを入れることがあります。麻酔は約1~3時間で効果が薄れてくるので、痛みが出るか心配な方には事前に痛み止めをお渡しします。
Step5
圧迫止血をする
術後ガーゼを強く噛んでもらうことで、圧迫止血を施し痛みや腫れを抑えます。また、かさぶたができやすくなるよう30〜60分程度止血を行います。持病のために血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は血が止まりにくくなるので、長めにガーゼを噛むようにしていただいています。
Step6
抜歯翌日の消毒
抜歯をした翌日、施術箇所に出血や感染がないかを確認した上で消毒を行います。痛みや腫れの具合でお渡しする薬の変更・量の調整を行うことで早期回復するよう配慮します。
Step7
1週間後に抜糸
親知らずの抜歯から1週間程度で傷口が小さくなってくるので、このタイミングで抜糸をします。さらに3〜6週間で傷口が完全にふさがり、骨は3〜6か月程度で回復し始めます。(期間には個人差があります)